お知らせ : 石原発言に関する政府への公開質問状
投稿者: morooka 投稿日時: 2006-10-8 23:47:29 (4043 ヒット)

2006年10月6日

警察庁長官    漆間 巌 殿
防衛庁長官    久間章生 殿
総務省消防庁長官 高部正男 殿
海上保安庁長官様 石川裕己 殿


「外国人・民族的マイノリティー人権基本法」と
「人種差別撤廃法」の制定を求める連絡会
共同代表 田中宏 丹羽雅雄 渡辺英俊
東京都新宿区西早稲田2−3−18−52
外登法問題と取り組む全国キリスト教連絡協議会内

移住労働者と連帯する全国ネットワーク
共同代表 岩本光弘 大津恵子 丹羽雅雄 村山敏
もりきかずみ 由井滋 渡辺英俊
東京都文京区小石川2-17-41 TCC2−203
Tel 03-5802-6033 Fax 03-5802-6034

公開質問状

 去る2006年9月16日付けの朝日新聞で、「総合危機管理講座」創設委員会・「9.11 日本を守る有志の会」主催の9月15日のシンポジウムにおいて、石原慎太郎東京都知事が「不法入国の三国人、特に中国人ですよ。そういったものに対する対処が、入国管理も何にもできていない」と発言したと報道されました。貴庁はこのシンポジウムの後援団体です。
 「三国人」という言葉が歴史的にも差別的な意味合いを持つことは周知の通りです。特に「中国人」と「不法入国」を結びつけて言及することによって、あたかも中国人が特別な問題を引き起こしているような印象を作り出し、偏見を助長します。
 石原都知事は、2000年4月9日、陸上自衛隊練馬駐屯地での創隊記念式典において、「今日の東京を見ますと、不法入国した多くの三国人、外国人が非常に凶悪な犯罪をですね、繰り返している・・・もし、大きな災害が起こったときには、大きな騒擾事件すら想定される」と発言しました。また、2001年5月8日付け『産経新聞』の「日本よ」と題する文章において、中国人同士の犯罪事件に関連して「こうした民族的DNAを表示するような犯罪が蔓延することで、やがて日本社会全体の資質が変えられていく恐れがなしとはしまい」と述べています。さらには、今年8月30日には、五輪開催に関して福岡の応援演説をした姜尚中・東大教授に対して、「怪しげな外国人が出てきてね。生意気だ、あいつは」など怪しい外国人」という発言をしたことが報じられたばかりです。
 このような発言が起こるたびに、外国籍あるいは外国に文化的・民族的ルーツをもつ人たちが偏見の目にさらされ、深く傷つくことが容易に想像されます。都知事という公職の立場にある人がこのような差別発言を繰り返し行うことは、外国人全体への偏見・差別を助長し、地域社会における多民族・多文化共生を破壊するものであり、許されるものではありません。
 私たちは、国籍・民族の違いや在留資格の有無に関わらず外国籍市民等の人権擁護や相談活動に取り組んでいる団体・個人のネットワーク組織です。その立場から、石原都知事が上記の発言を行ったシンポジウムを後援した貴庁に対し、質問します。つきましては、文書にて2006年10月31日までにご回答をいただけるようお願いします。なお、いただいた回答については、公開することを付記します。

―記―

1.石原都知事の今回のシンポジウムにおける発言は、外国人への差別・偏見を助長する人種差別にあたるか否か。
 なお、石原都知事は、2000年4月9日に同じく「三国人」発言を行った際、同月19日、都議会民主党に対し文書で「この言葉は、私が意図した意味とは異なり、差別的に使われていたため、在日韓国・朝鮮人をはじめとする一般の外国人の皆さんの心を不用意に傷つけることとなったのは、不本意であり、極めて遺憾です。一般の外国人の皆さんの心を傷つけるつもりは全くないので、今後は、誤解を招きやすい不適切な言葉を使わぬように致します」と陳述している。それにもかかわらず、今回再び「三国人」発言を行っており、差別の意図はなかったとの釈明は成り立ち得ないと考えるが、いかがか。

2.石原都知事の発言は、日本が加入する人種差別撤廃条約4条c項「国又は地方の公の当局又は機関が人種差別を助長し又は煽動することを認めないこと」に該当する行為であって、政府はこのような発言を認めず、迅速かつ積極的な措置をとる法的義務があると考えるが、いかがか。

3.石原都知事の2000年4月9日の「三国人」発言について、国連人種差別撤廃委員会は、2001年3月20日、日本政府に対し次のように勧告した。
 「委員会は、高位の公務員が行った差別的な発言と、特に、条約第4条(c)違反の結果として、当局がとるべき行政上または法律上の措置をとっていないこと、またそうした行為は人種差別を助長、扇動する意図があった場合にのみ処罰されるという解釈に、懸念をもって注目する。締約国が、こうした事件の再発を防ぐための適切な措置をとり、特に、公務員、法執行官および行政官に対し、条約第7条に従って、人種差別につながる偏見と闘う目的で適切な訓練を行うよう求める。」
 貴庁は、この勧告に対し、これまで具体的に、再発防止のためいかなる措置をとり、特に、貴庁における公務員、法執行官および行政官に対し、条約第7条に従って、具体的にいかなる訓練を行ってきたか。

4.石原都知事の今回のシンポジウムにおける発言に関連して、貴庁がそのシンポジウムを後援したことは、同条約2条1項bの「各締約国は、いかなる個人又は団体による人種差別も後援せず、擁護せず又は支持しないことを約束する」との条項に結果として違反すると考えるがいかがか。後援団体として、発言を行った本人および主催団体に対し事実調査をおこない、見解をただし、場合
によっては後援を取り消すなどの具体的措置をとるべきと考えるがいかがか。
 貴庁として、いつまでに、いかなる具体的な措置を行うのか、明らかにされたい。

5.今回のシンポジウムに対する後援問題とは別に、今後の再発防止のために、3に記載した人種差別撤廃委員会の勧告の趣旨に照らし、貴庁は、今後、具体的にいかなる措置をとる予定か。

以上

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